2021年5月11日火曜日

映画「82年生まれ、キム・ジヨン」

原作は韓国の作家チョ・ナムジュの同名小説。未読。
主人公キム・ジヨンを演じるのはチョン・ユミ
その夫デヒョン役はコン・ユ

ある日デヒョンは精神科のドアをたたく
相談したいのはときどき別人のような言動をとる妻のこと
医師は本人が来ないと、と告げるが
先ずは自分が知っておきたいと
スマホに録画した動画を医師に見せる

妻ジヨンは大学を出て出版社で働いていたが
妊娠を機に退社していた

会社は小さな子どもを持つ女性が働くことを好まず
男性が育児休暇を取ることにも偏見がある
子連れの主婦はカフェで過ごすにも肩身が狭い
公園のベンチに座っているだけで
主婦は楽でいいと揶揄する声が聞こえてくる
夫の実家では心休まるはずはなく
自分の実家でさえ、弟の方が大事にされている

昔からの常識、習慣、慣例という
心の奥に染みついた男女の差
無意識で悪気も悪意もないが
それでも静かに確実に人を傷つけ追いつめる

主人公の名前キム・ジヨンは
韓国で最も一般的な名字の一つ「김(キム)」と
70年代後半から80年代初期に産まれた女子に
最も多く名付けられた名前「지영(チヨン(ジヨン?))」
の組み合わせなのだそうです(Wikipediaより)

この名前に込められているのは
キム・ジヨンは特殊な人ではなく
ごく普通の一般的な女性のひとり
私でもあり、あなたでもある、ということ
この原作本がベストセラーになったということが
彼女と同じ思いをしている人がたくさんいることを
証明しています

彼女の救いは夫デヒョン
きっと彼も以前は普通の男として
妻が仕事を辞めて家事をし子育てをすることを
当たり前のように思っていたようですが
妻の異変に(本人より先に)気付き
考えや行動を改める努力をします
それが大事
自分の症状に気づいていなかったジヨンに
そのことを伝えるデヒョンのシーンは泣けちゃいます

子どもはかわいい
夫は優しい
それでも失われていく"自分"という存在
母でも妻でも娘でも女でもない"自分"として
ひとりの人間として存在する時間
誰にでもそんな時間が必要なのかもしれません

日本公開:2020年10月

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