2020年2月29日土曜日

映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」

時効が撤廃される法律が施行される前日に
時効が成立してしまった連続殺人事件
その事件から22年後、自分が犯人だと名乗る男・曾根崎が現れる
「はじめまして、私が殺人犯です」という衝撃の記者会見
犯行を記した告白本を出版し、つぎつぎとメディアに取り上げられ
告白本はベストセラーとなり日本中の注目の的になる
当時事件を追っていた刑事・牧村は
犯人にただならぬ恨みを持つ被害者遺族を気遣い訪ね歩く
同じく当時から事件を追っていたジャーナリストの仙堂は
自身がキャスターを務めるニュース番組に曾根崎を出演させることに...

犯人・曾根崎は藤原竜也
刑事・牧村は伊藤英明
ジャーナリスト・仙堂に仲村トオル

私的には伊藤英明が良かったです
22年分の時間差、若手刑事とベテラン刑事の雰囲気をちゃんと演じ分けてて
彼の視点で事件を見ていくことでストーリーにのめり込めました
元々は韓国のアクション映画がベースだそうですが
時効に関する法改正などをからめて日本仕様にリメイクされたとか
自宅で見てたし、ほとんど予備知識はなかったので
「えー!そういうことなのー!」と思わず声にだして言ってしまいました
個人的に「このミステリーがすごい」賞をあげたいくらいw
なので内容については何も言えないのだけど
ちょっとえぐいシーンもあるし
面白かったとか、良かったとかって言えない内容だけど
スゴイの見たって感じです

公開:2017年6月

 
 ポスター:映画.comより

2020年2月12日水曜日

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

原作は「ユリゴコロ」と同じ沼田まほかる
56歳でデビューした遅咲きの作家で
発表されてる作品は少ないにも関わらず
湊かなえと並ぶ「イヤミスの女王」と呼ばれてるとか
(イヤミス=読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)
2017年公開された2本の映画が2本とも
翌年2月のアカデミー賞をにぎわせました

自分を捨てた男を忘れられず、何をする気力も無く
ただ不機嫌を撒き散らしながら生きる女、十和子
そんな十和子とともに暮らし
面倒見ることだけが生きがいのような男、陣治
面倒を見てもらいながらも、彼を愛することが出来ず
十和子はふらふらと他の男に惹かれていく
ただ、ろくでもない生活はろくでもない男を引き寄せる
そんな男に振り回される十和子を守るため、奔走する陣治
ある日、職場で殴られたという陣治が
風呂場で血のついた作業服を洗っている
その背中を見て、十和子の頭をふとよぎる記憶
前にもこんなことあった?
封印された記憶とは・・・

十和子役は蒼井優
なんだか腹が立つほど色っぽい
そして彼女を守るために必死な男に阿部サダヲ
情けないほど必死な姿の中に
うっすら見え隠れするアブナイ一面
十和子が忘れられない男に竹之内豊
新しく現れる男に松坂桃李
このふたりにろくでもない男役を演じさせるという
贅沢っぷりですw
途中まではとてもいい男だからね
だまされちゃうかもね
出てくる人たちがみんないろいろ間違ってるダメな人たち
誰にも共感できない
同情もできない
そして最悪の結末へ
「あなたはこれを愛と呼べるか」
というのが映画のキャッピコピー
確かに、これはどうだろう?
どれもこれもいろいろ間違えすぎている愛の形です

公開:2017年10月

 映画「彼女がその名を知らない鳥たち」公式Twitterより

映画「ユリゴコロ」

原作は沼田まほかる著の同名小説

婚約者が突然失踪してしまった男・亮介 (松坂桃李)
母は亡くなっていて、実家には父親がひとりで住む
ある日、実家を訪れていたときに古いノートを見つける
そこに書かれていた殺人者の告白のようなストーリー
誰が書いたのか?
内容はフィクションなのか?事実なのか?
父親に確かめることも出来ず
ただとりつかれたようにそのストーリーを追う

ノートのストーリーと現実の話とのつながりは
「そんな偶然ないだろー」という無理やり感はあるのですが
繋がったときに「そういうことか!」と納得してしまいました

おいしそうなオムレツと"ひっつき虫"がカギ
(ひっつき虫。子どものころは空き地にたくさん生えてて
セーターとかにくっつくとげとげに覆われた実っていったら伝わるかしら?)

吉高由里子はこういう何を考えてるかわからないアブナイ人の役がはまります
無表情の中に狂気が潜んでる感じ
全部のナゾが解けたとき
キャスティングにはちょっと感心します
よく探したなーってw

「血」がひとつのテーマでもあるので
流血シーンが苦手な方にはおすすめできません

公開:2017年9月

 ポスター: 映画.comより

2020年2月11日火曜日

映画「グリーンブック」

原題:Green Book
2019年2月発表のアカデミー賞で
作品賞、助演男優賞、脚本賞の3冠獲得

主演はヴィゴ・モーテンセン
あの「ロード・オブ・ザ・リング」で
ストライダー=アラルゴン役で有名になった人
でもまったくの別人と化していますw
あのかっこよさは封印して
見事に中年太りの品の悪いおじさんになってます
(余談ですけど、かっこいいヴィゴさんみるなら
「オーバー・ザ・ムーン (原題:A Walk on the Moon)」
 がおすすめ)

ヴィゴが演じるトニーは
家に水道修理に来た黒人配管工が水を飲んだグラスを
ゴミ箱に捨てるほどの黒人嫌い、偏見の固まりのような人
そんなトニーが
黒人天才ピアニスト、ドクター・ドン・シャーリーの運転手として
アメリカ南部(ディープサウス)の演奏ツアーに同行することになる
ともに旅をするうちに
ドクターの才能と、孤高に偏見と闘う姿を目の当たりにして
トニーは変わり始める

驚くのは北部と南部の黒人の扱いの違い
NYではカーネギーホールの上の高級アパートで
まるで王様のように暮らしていたドクターが
南部ではあらゆる差別的扱いを受ける
ツアーをするにあたりトニーが手渡されたのは
「グリーンブック」と称される黒人専用の旅行ガイドブック
黒人が安心して過ごせる場所としてリストされているのは
黒人専用と書かれた古くて汚い小さなモーテルばかり
食事ができるところはダイナーや場末のバーのような店
コンサートに来る観客はみな白人の富裕層なのに
彼らと同じトイレを使用することは許されない
同じレストランで食事をとることは拒否される、という矛盾
北部では彼のコンサートには約3倍のギャラが払われるというのに
なぜそれでもドクターは南部をツアーをするのか

ある州では、日没後に黒人が外を歩くことさえ許さない法律がある
警察官も決して公平ではなく
雨の中、警察官に車を停められて口論になってしまい
2人は不当に連行されてしまう
そこにとんでもない大物(!!)の助っ人が!
(これも実話だそうです)
ただその人物に助けを求めたことを恥じて涙するドクター

と、なんだか辛いエピソード満載ですが
笑えるシーンもちゃんとあって
ケンタッキー州に入ったときに嬉々としてKFCに入るトニーと
フライドチキンなど食べたことがないというドクターの話は
かわいくて面白くて好きです
無人で売られていた天然石のエピソードと
トニーが奥さんに一生懸命手紙を書き続けることが
最後のシーンにつながっていてうるうるしました

米国公開:2018年11月
日本公開:2019年3月


本予告

2020年2月10日月曜日

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

ディカプリオ演じる俳優と
そのスタントマンのブラットピット
隣に引っ越してきた映画監督と女優の夫婦
かつての映画セットだった牧場で
集団生活をする謎の若者たち
そこに酒とドラッグが絡んで
とんでもない事件が起こる

この映画はチャールズ・マンソンという人物と
シャロン・テートの事件を知ってるか否かで
この映画の面白さが全然違うと思います

シャロン・テートの事件は
おそらく当時を知る年齢のアメリカ人なら
だれもが記憶してる事件なのでしょう
日本人にとっての地下鉄サリン事件みたいな感じかも?
私はシャロン・テートもチャールズ・マンソンも
名前は聞いたことあったけれど
事件の詳しい内容までは覚えてなかったので
最初に映画館でこの映画を観たときは
正直言ってあまり理解できませんでした

で、別記事に感想を書いていますが
「チャーリー・セズ/マンソンの女たち」という映画
これがチャールズ・マンソンとシャロン・テート事件の映画で
これ観てから「ワンス・アポン...」を再視聴しました
それで"なるほどそういうことか"と理解できた感じです

なので
チャールズ・マンソンとシャロン・テートについては
少し予習が必要と思います
知らないと面白くないと思う
「チャーリー・セズ」は
「ワンス・アポン...」の予習用としてはおすすめの映画です

「ワンス・アポン...」にチャーリーが登場するシーンがあります
シャロン・テートの事件を知らないと
あれがチャーリーだとわからないような短いシーンで
でもあれがチャーリーだとわからないと
そのシーンの意味がわからないと思います
その時チャーリーが口にするテリーとテッド・ウィルソンという名前
とても重要です

ケイト・ブランシェットの名前をエンドロールで見ましたが
どこに出てたのかわかりませんでした
たぶん他にもカメオ出演してた有名俳優がたくさんいそうです
スティーブ・マックイーンとブルース・リーについても知ってると
たぶんよりおもしろいし楽しめると思います
私的にはルーク・ペリーが出てたのが切なかったです
(「ビバヒル」の視聴者だったのでー)

予告編

日本公開:2019年8月
(再視聴:2020年5月)

2020年2月8日土曜日

映画「七つの会議」

キーワードは「ネジ」「椅子」「隠蔽」

原作 池井戸潤
監督 福澤克雄
制作 TBS

主演の野村萬斎以外はキャストもスタッフも
ほぼほぼまるっと日曜劇場
みんなこれが見たかったんでしょう?と言わんばかりの
ある意味期待を裏切らない演出
どうしても香川照之にうならせたいらしいww
萬斎さんが主役なので
どんなにのらりくらいしてても
ただのぐーたら社員じゃないことは初めからわかるし
他は誰が裏切っても、誰が寝返っても
さほど驚きはありません
でも安心してみられる、最後はちゃんとすっきり終わる
という安心感はあります
でも7つの会議がどれとどれだったのかは
いまいちわからなかったです😅

ドーナツ企画の浜本優衣役の朝倉あきちゃんがかわいい
ドーナツ食べたくなりました🍩

2013年にNHKで放送されたドラマ版は視聴済み
でも雰囲気は全く違いました
タイトルが違ったら同じ話だってわからなかったかも
NHK版の主役は八角ではなく原島課長で、東山紀之が演じてました
 
公開:2019年2月

 映画「七つの会議」Twitterより

本「坂の途中の家」角田光代著

負のスパイラル
抜け出してしまえば何てことはないのに
その渦の中にいるときは
自分を思って発せられた言葉も、行為も、贈り物も
すべてが悪意に満ちた攻撃に思える
自分はダメだと、普通のこともできない人並み以下の人間だと
見下されている気がする

理沙子は専業主婦。2才の娘の母親。
ある日裁判員の候補になったという通知が届く
選出されたその日から始まる公判
扱う事件は乳幼児虐待死
被告は生後8ヶ月になる娘を浴槽に落とし死亡させた30代の主婦
検察側と弁護側はそれぞれ正反対のストーリーを組み立てる
夫とその母親、友人、実母、そして被告本人
理沙子と同年代の被告の日常が重なる

理沙子の目を通して見た裁判、現実の生活と過去
被告に感情移入するあまり、日に日に疲弊していく理沙子に
自分も感情移入してしまうほど情景描写が秀逸でした

普通って何だろう?
理沙子は「普通」であることに囚われる。
子育てのことも、裁判員のことも、
「普通」のことができていないのではと不安になる。
自分は他人より劣っているのか?
おかしいのではないか?

裁判員
まだ私自身も周りの人にも選ばれたという話は聞いたことがないけれど
もし自分が選ばれたら、自分が感じたものが他人と違ったら
その場で自分は違うと言えるだろうか?
他人の意見に影響されて、気持ちが揺れ、迷い、悩む
その中でそれぞれの「普通」を探っていくしかないのかもしれない

著者 角田光代
読了 2020年2月

 朝日新聞社版

2020年2月5日水曜日

映画「万引き家族」

寒い冬の夜
ゴミ捨て場に寝巻き姿で佇む少女
見かけるのは初めてじゃない
見かねた中年男が声をかける
少女は黙ってついてくる
たどり着いた家は狭く散らかっている
そこに暮らすのは男の妻らしき女と老女、若い女と少年
どこかちぐはぐなその家族には秘密があった
仕事はしているが収入はわずか
老女の年金が頼り
食料品や日用品を日常的に万引きで賄う
間違ってることはわかっている
わかっているが抜けられない
その場しのぎのような生活は
あることがきっかけで限界が来る
その時、明らかになる秘密
貧困と暴力 血の繋がり 本当の家族とは? 愛情とは?

取り調べの最中、老女を捨てたと責められるノブヨ(安藤サクラ)のセリフ

 捨てたんじゃないです
 拾ったんです
 捨てた人っていうのは別にいるんじゃないですか?

刺さります

家族のもとに返された女の子の姿が
実際にあった事件、父親に虐待されて亡くなった小4の女の子と重なって
もやもやしました
いろいろ間違ってて、明らかにダメな家族だったけど
あの子を思う気持ちだけは本物だった
ちゃんと愛して大事にしてたのに

さすが是枝監督作品と言ってしまいたくなるほど子役がいいです
台詞じゃなく視線と仕種でその感情を表す
子どもの表情が秀逸でした

公開:2018年6月

 「万引き家族」公式サイトより

 
 Trailer


ドラマ「地獄が呼んでいる」(全6話)

ある日突然 なんの前触れもなく目の前に現れる顔 その顔がこう告げる 「お前は○○後の××時に死ぬ  そして地獄へ行くことになる」と その予告から死までの時間は人それぞれ 数年後の人もいれば、ほんの数十秒後の人もいる 予告された時間になると 3体の怪物のような使者が現れ 対象者を暴...