2020年1月30日木曜日

映画「ロケットマン」

原題:Rocketman

まるでハロウィンコスチュームのような衣装で
バックステージをドスドスと歩いてくる姿は
つい笑ってしまうほど滑稽なのだけれど
その姿で語られる彼の物語は
苦悩と葛藤に満ちています
地味で内気な少年だった彼が
なぜあそこまでド派手な"エルトン・ジョン"を演じる必要があったのか

愛していないのか、それともただ愛し方がわからないだけなのか
なぜか子どもと向き合えない両親と過ごした幼少期
でもその幼少期にピアノに出会えたことと
その才能を見抜いてくれた祖母がいたことは
彼にとって幸運なことでした
そしてもう一人、のちにブラザーと呼べるソングライターに会えたことも

とにかく圧倒的に音楽がいいです
曲がいいのはもちろんだけど、その使い方が絶妙
ミュージカル調だけどセリフの無理矢理感は無く
セリフから歌へ流れていくような演出で気持ちよく聞けました
ずっとミュージックビデオを見てるような心地よさで
でもちゃんとストーリーがあって笑って泣ける作品です
Your Songができた瞬間のシーンは鳥肌うるうるポイントでした

公開:2019年9月

予告編


映画「コーヒーが冷めないうちに」

小さな町の喫茶店
その店のある席に座ると過去に戻れるという噂がある
その噂を聞きつけた客が半信半疑ながらやってくる
噂は本当で、戻ることはできるのだが、いろいろと条件がある
まず戻っても過去を変えることはできない
戻れる時間は、女性店員が淹れたコーヒーが冷めるまでのほんの短い間だけ
それでも戻りますか?と問う店員
戻る意味はあるのか?

喫茶店の店員には有村架純
彼女が淹れるコーヒーをきっかけに
"その"椅子に座った人が過去へ戻る
そんな人たちのストーリーが3つと
彼女自身の話で計4つの物語
それぞれが、ほっこりしたり、せつなかったりで
4回泣けるという謳い文句でしたが
どうかな?ちょっと言い過ぎかなw
私が泣けた話はメインの話ではなく
サイドストーリーの1つ
松重豊と薬師丸ひろ子のエピソード
これがすごーく良かった
この話だけでショートムービーを作っても良かったんじゃないかと思うほど
二人の演技は別格ですばらしかったです
これだけでも見る価値ありです

2017年本屋大賞受賞の同名小説の映画化
原作未読

公開:2018年 9月

本「六番目の小夜子」恩田陸著

学校で密かに行われる行事「小夜子」
誰が何のために始めたのか、誰も知らない
にもかかわらず、受け継がれる"鍵"

高校生活最後の年
その初日
花瓶に生けられた真っ赤なバラが教卓に置かれる
それは小夜子が現れた合図
そして転校生がやって来る
誰もが見惚れるほどの美少女
名前は津村沙世子
偶然?それとも彼女が今年のサヨコなの?

高校最後の一大イベントである文化祭で
全校生徒参加で演じることになった舞台が
異常な緊張感と高揚感を生み、文字通りの嵐が起きる
サヨコの正体とは?

初版は1992年。恩田陸のデビュー作。
彼女の描く学校は昭和のにおいが残る
木造校舎、古い部室
たまり場の喫茶店
まだ携帯電話の無い時代
家にかかってくる電話、母親の呼ぶ声
教師が職員室で使っているワープロ

だいぶ大人になってしまった今でも
高校生の話が楽しめるかしら?
なんて思いながら読み始めましたが
そんな昭和のにおいのせいか
すんなりタイムスリップできました。
真っ暗な体育館で
私も順番を待っている気持ちになれて
ドキドキしました。
突っ込みどころはいくつかあるけれど
それを差し引いてもおもしろいと思える作品でした。

新潮社サイトより

2020年1月27日月曜日

映画「ハナレイ・ベイ」

「女の子とうまくやる方法は3つしかない
 相手の話を黙って聞く
 着ている洋服をほめる
 できるだけおいしいものを食べさせる
 これだけやってだめならとりあえずあきらめた方がいい。」

原作は村上春樹
「東京奇譚集」という短編集に収録されています
このセリフはそのまま原作にありました
ってことは村上春樹のことばですね
当たってるかな?
信じるか信じないかはあなた次第w
シングルマザーと息子
あまりうまくいっていない親子関係
その息子がハワイへサーフィン旅行中に サメに襲われて突然命を落とした
悲しみと後悔
やりきれないもやもやした気持ちを抱えたまま
母は毎年息子の亡くなった季節にその地を訪れ
ただ海を眺めて過ごす
美しい海辺の景色
自然は雄大で容赦がない
憎しみも、愛も、後悔も、希望も
すべて飲み込んで、ただそこに存在する

ストーリーは地味で登場人物も少なく ほとんど母親役の吉田羊の独壇場
キレイで、気が強くて、でもどこか脆い そんな母親の複雑な感情が伝わってくる演技でした

 I hated my son, but I loved him.

やっと言えたこのセリフと ラストシーンの表情がすごくよかった

現地で偶然出会う若者に村上虹郎
ぴったりの役でした

原作は手元にあったので映画見終わってから再読
原作の方がだいぶあっさりした印象で 映画は原作に少し肉付けされた感じです

公開:2018年10月

Trailer

2020年1月26日日曜日

映画「十二人の死にたい子どもたち」

ある自殺サイトの呼びかけで
集まった12人の子どもたち
みなそれぞれに"死にたい"理由を抱えている
お互いのことはよく知らない
ただ同じ目的のために集った12人  のはずだった
でも"決行"の場所に集まったのは何故か13人
謎の1人はすでに死んでいる!?
彼は自ら命を絶ったのか
それとも…

まずはすぐに決行するか否か決を採ろうという主催者
彼もまたもまた自殺志願の高校生
全員一致が決行の条件だと言う
すぐにでも決行しようという子が多数を占めるが
"空気の読めない"1人が反対する
理由は謎の13人目について知りたいから
しぶしぶながら全員協力しての推理が始まる
いろいろ調べていく中で
それぞれの死にたい理由が徐々に明らかになる
深刻なものから、そんな理由で?と理解できないものまで
そして謎の13人目への反応も様々
多感な年頃
なげやりになったり
未来に絶望したり
罪悪感を背負っていたり
他の人が死にたい理由を知ることで
それぞれの気持ちに変化が現れる
他人の死にたい理由と13人目の正体がわかったとき
子どもたちはどんな結論を出すのか?

15~18歳までの子どもたちを演じるのは新進気鋭の若手俳優たち
中でもすでに名の知れた実力派、新田真剣佑、杉咲花、橋本環奈、北村匠海
彼らの演技はさすがです
達観したような大人びた落ち着きの中に子どもの危うさ脆さが見え隠れする
揺れる子どもたちの心の動きがしっかり演出されていました
私のイチオシは北村匠海くん、良かった!

13人目の謎解きというサスペンスな内容ですが
ハラハラドキドキはそれほとでもなく
だんだん明らかになる子どもたちの死にたい理由と
心の変化をなるほどねーと静かに見守る感じの映画でした

公開:2019年 1月
映画「十二人の死にたい子どもたち」オフィシャルサイト

ドラマ「地獄が呼んでいる」(全6話)

ある日突然 なんの前触れもなく目の前に現れる顔 その顔がこう告げる 「お前は○○後の××時に死ぬ  そして地獄へ行くことになる」と その予告から死までの時間は人それぞれ 数年後の人もいれば、ほんの数十秒後の人もいる 予告された時間になると 3体の怪物のような使者が現れ 対象者を暴...