2021年8月23日月曜日

映画「ミッドナイトスワン」

第44回日本アカデミー賞(つまり2020年作品)で
最優秀作品賞と最優秀主演男優賞(草彅剛)の2冠に輝いた作品

  予告編(30秒)

草彅剛が演じるのはトランスジェンダーの凪沙(ナギサ)
ぜんぜん美人じゃないし
一目で男性が女装しているとわかる風貌
新宿でダンスや接客をするクラブで働いている
そのことを未だ知らない実家の母親から
親戚の中学生一果(イチカ)を預かるよう言われ
仕方なく面倒見ることになる
世間がナギサを見るときの違和感・嫌悪感は
そのままナギサの中に潜むもの
子供の時に海で感じたもの
何故自分はスクール水着じゃなくて海パンなのか
自分の体、親の目、世間の目
辛くて恥ずかしくてたまらない
そんな思いをずっと抱えながら生きてきた
その悲哀が無言の表情からにじみ出ていました

さらにすごいのはナギサが髪を短くして
"男"として就職する決意をするシーン
その男の姿がすごくぎこちなくて
男なのに、男の恰好してる方が
女装よりはるかに違和感がある
それはなんだかすごいことだと思いました

一果役はオーディションで選ばれた新人の女の子
まだおでこにニキビ跡が残るあどけない感じ
顔にあまり表情が無くてぼそぼそしゃべるのも
バレエのシーンだけが輝いて見えるのも
おそらく監督の意向なのかな
あまり演技らしい演技はしていない感じ
バレエのシーンは本当に素敵でした

逆に、一果のお友だちリンちゃん役の子は
こちらも新人だそうですがしっかり演技してました
一果の才能に嫉妬しながらも
一果のことが好きで面倒みて応援し
自分と親に絶望していく感じが
すごく切なくて悲しくて
リンちゃんのストーリーをもう少し見たかったと
思ってしまいました

一果の母も、リンの母も
愛情が無いわけじゃない
いや、無いのにあると勘違いしているのか?
母の愛情(だと思っているもの)が子供を傷つけ追いつめる
それはナギサの母も同じ

一果が舞台の上でつぶやいた「お母さん...」
あれは誰を思い浮かべていたのか

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